武器としてのこころリテラシー【3】~こころのLIFTモデル(後半)~

前半の記事では、知・情・意の働きについてお話してきました。

※前半の記事は下記よりご覧ください。

武器としてのこころリテラシー【2】~こころのLIFTモデル(前半)~

 

さて、こころの中の知の働きである知識や論理思考については注目が集まり、取りざたされることが非常に多いのですが、これまで見てきたように知はある意味万人に共通する無味無臭的な類なものなので、思考力を高めようと思って知にアプローチをしても効果的でないことも多い、ということが(体感的に)わかってきました。なぜなら独自の思索や価値が生まれないからです。

人工知能の専門家に話を聞いたことがありますが、人工知能にイノベーションは起こせないそうです。知や情報の処理やそれぞれの機械的な結合は人工知能が得意とするところですが、やはりそれだけでは新たな洞察が生まれないと言うことなのでしょう。説明してきたように、知の機能のみを見ればAIの機能に多くは代替され得てしまうのです。そう言う意味でも思考と言うある意味客観的なイメージのある領域にもこころという非常に主観的な側面の働きを理解してアプローチする必要があることがわかります。

 

夏目漱石の『草枕』にはこんな一節があります。

 

「知に働けば角が立つ、情に棹させば流される。 意地を通せば窮屈だ。 とにかく人の世は住みにくい。」

 

こころの3つの働き(バランスを崩したときにおこる不具合)を軽妙に表現していると感じます。つまり3つは、それぞれを鍛えると同時にバランスを保つということが本来の人間のこころのあり方なのだと思います。

この言葉はどれか一つに偏っていると世の中ではうまく生きていけないという示唆が含まれていて、こころの3つの要素のバランスが大切だということを示してくれている本質的な言葉ではないでしょうか。

 

 

さてここまで見てきて知的武装ならぬ情的武装をすべく、こころリテラシーを身に付けるとはどういうことか再度考えます。

 

こころの問題は2つの様相を呈して私たちの前に現れます。

 

①「こころがゆがんでいる=バランス・形が悪い」問題

 

先の夏目漱石の言葉のように心の要素が何かに過剰に偏っているような状態や、それぞれの要素それ自体に偏りや歪みがあるような状態です。

例えば、上記私の学生時代のような事例では知に偏った言動になっているため相手の感情を理解したりすることができなかったわけですが、人に言うからには当然自分にもそれを強いていて、自分自身の感情なども切り離しているわけです。そのため苦しい・つらいという気持ちが感じづらくなったりもしてくるわけです。

結果としてこころをある意味楽にさせるようなすべを持たずに、苦しさが持続していくというループに入ります。また信念・解釈システムである意に過剰な偏りや歪みがあると、それはそれで負の感情を持ちやすくなってこころは弱くなってしまいます。何を言ってもネガティブな発言で返ってくる方などはその典型的な例です。

 

②「こころが小さくなる=バランスはいいが小さい」問題

 

これは特段偏っていたりゆがんでいたりする感じはしないのですが、何か迫力や覇気を出していけない。何かをしようと思ったときに影響力をうまく出していけない、というような状態です。

「自分自身に強い不満があるわけではないのだが、なんか小さくまとまってしまってるな」

「もっとワクワク・活性して仕事したいのになんかパワーが出ないな」

というようなことをお感じの方も意外と多いのではないでしょうか。俗にいうと「小さくまとまってる」状態。これをいかに打破していくかも私はこころの問題だととらえています。

 

ある意味①は自分のこころのバランスを「メンテナンス」していくようなイメージで、②は自分のこころを「鍛えていく」イメージです。

 

VUCA時代、ダイバーティ時代など現代は変化のスピードが目まぐるしくはやまり、価値観も多様化した世界と言われています。

その時代にあって私たちは現状維持ではなく何かを創造(クリエイション)し、自分らしく生きる(ウェルビーイング)ことを目指していくことが大切になってきました。

まさに自分のこころをうまくメンテナンスしながら、鍛え上げ、自分らしく(自分らしいと思える感覚をもって)前向きに創造していくことが大切になったということですね。

 

私たちは、こころの2つの問題にうまく対峙することがとても大切なことであり、この2つをできることがこころリテラシーだと定義しています。

 

さて本日の内容はいかがでしたでしょうか。ご自身のこころの中はどうなっていますか?ご自身のこころの状態に気づくヒントになれば幸いです。

また次回も楽しみにご覧ください!

 

※こころリテラシーの中核であるLIFTモデル、そしてその中の中心的な機能である意について特にここ最近の恩田のブログソモサンで考察を深めています。

改めて人の活動を支配する中核である『意』と云う存在を考察していくに当たって 思うこと

こちらもぜひご参照ください!

 

~最後に~

今回のブログで触れたこころの問題を解決していく原動力は、人間が本来もっている、前を向いて何かをやっていくマインドセットだと考えています。

これをJoyBizでは、「こころのLIFTUP(上がっていく)」と表現していて、著作権登録もしている当社独自のこころを扱うモデルです。このLIFTにはLIFTUPを実現するためのアプローチであるLife Intention & Force(Mind Vital) Treatmentの意味も表現していて当社が開発したこころへアプローチする方法論です。当社ではこのLIFTを核としたプログラム開発やワークショップ、トレーニングなどを支援しております。

詳しくお知りになりたい方はコンタクトいただければレスポンスさせていただきます。

 

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