ライザップとイノベーション思考

ライザップへの挑戦

本日は、軽くダイエットの話から始めようと思います。「大男総身に知恵は回りかね」という言葉がありますが、確かにここ10年来太り始めてから身体が徐々に重くなり、重いから動くのが億劫になり、動かないから更 に太りという悪循環に陥っていたのですが、あるとき「どうも思うように頭も働かなくなってきた」という事態に嵌り込んでしまいました。

ある文献で知ったのですが、熊は寒冷地に行けば行くほど大きくなるということ。月の輪熊は概ね体長1メートルなのが、羆になると体長2メートルになり、白熊になると何と3メートルになるということです。

これは体重に対する対表面積が大きくなればなるほど熱の保存効率が上がるからだそうですが、日本の東京においてそれが言い訳になるものでもなく、「ともかく痩せよう」と一大決心をしたのでありました。そこで「どのような手段で取り組めば痩せるのか」を考えたあげくネットを彷徨った結果、何となく性格的に「成果第一主義」という言葉に乗せられて、ライザップのやり方に取り組んでみることにしました。

ある意味の破壊的なイノベーションでもセオリーがある

ライザップは今飛ぶ鳥落とす勢いですが、インチキならばこうも成長するはずもないと考えて詳しく調べてみると、そのビジネスモデルはこれまでのジムのように、「痩せさせないように導いて長く利用させる」というアプローチとは真逆の、「短期間で必ず結果を出し、その評判で顧客を増やす」という考えに共感を覚え、「これならば試す価値がある」と考えたわけです。

しかし一人一ヶ月40万円近くもかかり、しかも二ヶ月。コンサルタントといえどもそんなに儲かっているわけでもないので、「あれだけ話題になっているのだから何か秘策がアップされているかも知れないぞ」と検索すると、出てくるわ出てくるわ。

ポイントを纏めるとどうやら徹底した「炭水化物と糖分の排除」ということ。そして「見映えする部分の集中鍛練」の様です。別に筋骨隆々の赤井さんになりたいわけでもないので、そこは早朝ランニングと腹筋をすることにして、知りたいのは具体的に何を食べればよいかということです。

すると親切にもコンビニで食べていいものとダメなものまでアップされていました。「本当にいい時代になったなあ」と素直に従って実施すること一ヶ月。お陰さまで10キロを越えるダイエットに成功しました。その気にさえなれば、現代は情報欠乏に困る時代ではないということを改めて実感した次第です。たまたま天下の国営テレビでダイエットに関する特集がやっていて、「筋トレのないダイエットは痩せるにつれて筋肉も目減りし、これが60才を越える頃から大きく響いてきて寝たきりになる確率が増える」とのこと。

そういう意味においてもまさに理にかなった取り組みとなりました。しかもタダです。確かに入れるカロリー以上に出していれば、自然減になるのは当然と言えば当然です。そうやって考えるとライザップは特に優れたノウハウがあるわけではなく、一寸した着眼点からの創造性を生かしただけであそこまでたった数年で成長したということです。アイデアとは決して無から有を出す取り組みではない。これはイノベーション思考のセオリーの一つです。

また高い金を払うからこそ続けるという心理へのアプローチは、まさに感情マネジメントのセオリーの応用です。私はかつて禁煙した時の成功体験があったので一人で頑張れましたが、これも感情マネジメントのにおける成功体験を使った自己統制のセオリーの応用です。

改めて振り返るとライザップの取り組みの全てが、出版した書籍の中にあるセオリーの上手な活用の連鎖でした。やはりイノベーションを始めとする日常の成功の殆どは非日常的な突飛なことではなく、ちょっとした工夫を上手に展開すると得心した次第です。

そしてそれは取りもなおさずセオリーを知った上できちんとやっていれば誰にも光明はあるということであり、我々の仕事の力ということにも繋がります。何はともあれ、信じてともかく実践するということの成果を体感させて頂いたこの一ヶ月でした。ということで取り留めない話からの再スタートですが、まずは湾内での遊覧航行から始め、徐々に外海に出ていく所存です。