• マインドフルネスにおける瞑想と同じ機能を持つ催眠の技法を学ぶ ~ソモサン第230回~

マインドフルネスにおける瞑想と同じ機能を持つ催眠の技法を学ぶ ~ソモサン第230回~

ショートソモサン①:人の心と組織にモメンタムを生み出す

皆さんおはようございます。

現代のストレス社会を乗り切り、未来を創造し前向きな組織や人づくりを行うには、スキルアップの前に、まずは不安定で後ろ向きになって来ている心に対してレジリエンス(復元力)やグリット(やり抜く力)といった勢力(パワー)を目覚めさせなければならない。そしてそれらを高めるには、何よりもまずはモメンタム(心の起爆力)が強くないと始まらない、ということから新しい組織開発や人材開発の必要性を提案してきました。

この動きはマインドフルネス運動などで最早グローバル的なうねりとなってきています。ではモメンタムとマインドフルネスはどのような関係があるのでしょうか。重要なのはどちらも手段であるということです。残念ながら日本では浅慮に単なるブームの如くマインドフルネスをそれ自体が目的の如く喧伝する風潮もありますが、両者は場を前向きな状態に変えていくための勢力を高める手段であり、それ自体が目的なのではありません。

前回まででマインドフルネスとモメンタムの関係を大まかにご紹介せて頂きました。「場の理論」において場を生み出す二つの力、進めようとするアクセル的な推進力と押さえ込もうとするブレーキ的な規制力という自然界の摂理は心の領域にも存在し、場を前向きにするには推進力を高めるだけではなく、規制力を弱めなければ、時には抵抗力によって摩擦が高まって、返ってストレスが高まる場合もあるという話でした。そしてその規制力を弱める手段がマインドフルネスであり、推進力を高める手段がモメンタムであるという関係をご紹介してきました。

人は生理的にポジティブな心的性向を持っています。ですからマインドフルネスを行えば、人はある程度心が癒されることから心情がニュートラルに近づいて自然に意識が前向きになっていくことは古くから知られていました。ですからちょっとした心の疲れなどであればマインドフルネスによって回復されるということから、Googleのような大手の企業では心の回復技術としてプログラム的に取り入れられ、それが世界に普及されるきっかけになっていたのは周知の話です。この動きは欧米で普及したヨーガなどの動きも同じような意味を持っています。

またこの技術は時間をかければ、応じて深い効果を発揮することから療法的にも利用され、医療的な価値も見出せることになりました。

私見ですが、これは世界的に宗教観が弱まっていく中で、祈りの文化がなくなることに変わる形で広がっているのではないかと捉えています。

さてこのマインドフルネスですが、その心臓部は集中に専心することで「心にトランス状態」を生み出すことにあります。そうして顕在意識を麻痺させることから潜在意識を解放して、生来人が内在している自浄作用によって心の状態を本来の前向きな状態に調整するという働きをします。

しかし、その前提は潜在意識が前向きな状態にあることが条件です。幼少からの後ろ向きな経験や置かれている環境によって潜在意識のレベルから後ろ向きな精神状態にあり、それが顕在意識面でも「思い込み」や「決めつけ」が支配するような状態や、人生として「目標不在」の不安定な状態ではマインドフルネスだけでは効果が限定される傾向になります。療法の世界では「マイナスからの脱却を願う」人たちが前提ですから、ある意味目標が明確で効果も出てきますが、健常人(普段はあまりマイナス状態を意識していない、あるいは問題意識を感じていない人)では効果は限られるのが一般的です。これがGoogle社のような優秀なタレントぞろいの組織ならば効果的でも、単にそれを模倣する安易な姿勢の組織では効果が出てこない理由だと考えています。

この問題を解決するには、幼少から徐々に蓄積された記憶から形成される潜在意識に蔓延った「思い込み」を軌道修正する必要があります。置かれた環境の変化には異なったハードルがありますが、これは組織開発の話としていずれまた俎上に上げれればと思います。

何れにしてもマインドフルネスはグライダーが滑空する様なもので、上からの圧力を弱めれば上昇気流で自然に舞い上がるような状態といえます。その圧力たる規制力が潜在意識に張り付いた信念(専門的にはスキーマと称します)レベルとなれば、それに応じた解放技術が求められます。

これに値するのが「認知行動アプローチ」ということになります。ただし、認知行動アプローチは、「自分の認知を論理的に分析して心の不合理に気づく」という段階を踏みます。これは相当分析力や探求力が要求されます。一般に「認知行動療法」ではこの助力として専門家がリーディングしますが、他者の助力がないと一人ではそう簡単に為し得ないアプローチです。それ位思い込みによる防衛反応といった顕在意識と潜在意識の間にある壁は厚く固いのが現実です。またそれを補正すべく、視野を広げるための新たなサスティナブルでダイバシティな考え方や認知体系そのもの自体もある程度の知的な水準や成熟性、系統立てて考える論理力がないと咀嚼できないのも現実ではないでしょうか。

※個人的には、禅のような取り組みでもその「認知力向上」においては相当の文化人レベルにならないと「心や教え」の意味が咀嚼できず、上位階層にしか普及しきれなかったのではないかと考えています。

ショートソモサン②:禅と催眠の関係を整理する

ではどうすれば良いか。そこで生み出されたのが「ヒプノシス・アプローチ」です。一般には「催眠暗示誘導アプローチ」と云いますが、「催眠」という技法によって顕在意識のガードを外し、直接潜在意識と向き合う補正技法です。

所で「催眠」とは一体どういう存在、状態でしょうか。要は「トランス状態」です。催眠とは人をトランス状態に導く技法です。そのアプローチは「集中」です。「リズムを使って集中状態を生み出す」といった技術といえます。

ここで皆さん、何かにお気づきになりましたでしょうか。そう、催眠はマインドフルネスと目的も手段も酷似したアプローチです。ヒプノシス・アプローチとマインドフルネスの違いは、そこに「暗示」という技法が加わるということです。「暗示」とは「認知行動療法」同様にポジティブ意識やプラス思考に合理となる、できる限りサスティナブルでダイバシティな概念をネガティブ意識やマイナス思考に置き換えていくアプローチです。この中で最も認知行動と異なるのは「新しい認知を形成する際に、古い認知を忘却させる段階を形成する」ということです。潜在意識に直接アプローチすることでそれが可能になります。

歪んだ認知やそこから発生する思い込みを合理的でポジティブな観念に基づいた認知に入れ替えるに当たって、認知行動では論理的な納得性を通す流れを取りますが、ヒプノシスではここに感情的な安息性を介在させて、感情的なマイナス意識を軽減させていくアプローチを取るのです。

ここでいう論理的納得性を持つ合理的認知とは、単に論理的な思考のみならず人としての道徳観や哲学観の様な領域が含まれており、古くは宗教がその役割を担っていました。現代はそういった教えが知的教育への偏重によって心立ちが弱くなっていたり、全くの無知に育てられているケースもあり、心柱がズレていたり、そもそも無い人が増えています。当然心の支えがなければ脆いのは必然です。宗教界も経年の努力で下位階層でも理解できるように意味の咀嚼に努めて寺子屋などで普及に努めてきた歴史もありますが、残念なことにGHQの施策などでこの80年近くは組織的な人間教育はおざなりにされた感があります。そのツケが今に及んでいるといったところでしょうか。

ツケはツケとして、ともあれ「心や教え」の供与がないマインドフルネスの限界はここにあります。そしてマインドフルネスの源流である禅が持っている本質もここにあります。「禅の心や教え」は「暗示」における「認知向上」「認知変容」の内容の一翼を担っています。つまり禅は「瞑想」という「自己催眠」の技法と「心や教え」といった「自己暗示」の技法という双方を併せ持った世界といえるのです。

でもこういった「心や教え」は文化によって多少違いが生じます。特に宗教観はそうです。ですから欧米においては禅のマインドフルネスといういわゆる「瞑想技法」は取り入れれても、禅と一体である「心や教え」は取り入れるにはハードルが高過ぎたのでしょう。禅の世界では「理入」「行入」という言葉がありますが、欧米ではまさに「行入」は取り入れられたが、「理入」は出来なかったということになります。

この一体ということが賢人にとっては重要な意味を持っていたのは確かです。欧米では「祈り」の文化があるわけですが、「瞑想」や「読誦」といった「行入」を意味づける「理入」。スティーブ・ジョブスなどがマインドフルネスに飽きたらず、トータルな世界として禅の世界に傾倒したのは道理といえます。そして「読誦」や「説法」を弱め「瞑想」に傾注した曹洞宗に帰依したのも欧米人ならではと頷けるものがあります。

纏めますと、禅のアプローチは「マインドフルネス」と「認知行動」を併せ持った内容ですが、これに近似したアプローチが「自己催眠」と「自己暗示」を駆使した「ヒプノシス・アプローチ」ということになります。JoyBizでは基本は「自己催眠」の側面を「マインドフルネス」の技法に依拠しています。でもこのブログでは科学として顧客の要請にあったアプローチをすべく、全体像をお話しさせて頂いているわけです。

ショートソモサン③:動と静

ところで忘れてはいけません。主題である「モメンタム」はどうなっているでしょう。「モメンタム」は場の理論でいうところの推進力です。飛行機に例えるとエンジン、それも起爆するブースターに位置付けられます。先だって日本の誇りたる「H3型ロケット」が打ち上がりませんでした。その理由が、このブースターである二本のサブ・エンジンに着火が起きなかったことです。それ位ブースターは立ち上げには重要になるのです。単に規制力を弱めただけでは場はなかなか動き出さないのです。

禅でも経行(きんひん)といって歩行というよりも走る瞑想もありますし、作務といって様々な作業を日常に組み込んでいます。禅と言えば「静」をイメージする人もいらっしゃいますが、決して「静」ではありません。「静」と「動」を緻密に組み合わせてポジティブでプラスな世界を心身に生み出すアプローチを体形づけています。これはヨーガも同様です。

モメンタムを上げるとは、生理学的にはドーパミンやGABAの分泌を促進するということです。マインドフルネスはセロトニンやオキシトシンの分泌を促進することが軸になりますが、モメンタムを上げる際にもセロトニンやオキシトシンは分泌されます。一挙両得といったところです。因みにヒプノシス・アプローチはそれ自体神経伝達物質の分泌を高めるというよりも抑制要件を除去して分泌しやすい状態を作るということになります。

モメンタムを上げる神経伝達物質の分泌は「笑う」といったプラス意識によって促進されます。これは分泌によって意識が高まるといった作用と相関的に関係しています。また身体を高揚するリズムなど(これは心臓の鼓動と密接に関係しています)でも促進させる作用をもたらします。このリズム感は想像でも同様の効果を生み出します。人の脳はイメージと現実の判断ができませんから、イメージでも同じ効果を醸し出すことが可能になります。

ショートソモサン④:自己催眠の技術のご紹介(1)

ではここからは先週ご案内していた簡単な「自己催眠法」の技術をご紹介していくことに致しましょう。

催眠とは何でしょうか。人には顕在意識と潜在意識があるというのは以前にお話しさせて頂きました。顕在意識とは「今気づいている範囲の意識」で、潜在意識とは「無自覚で機能している心の働き」のことです。例えば文字認識などの自動的に行なっている心の状態とか体調の制御といった暗黙的に働いている意識状態をいいます。潜在意識は原則は顕在意識に準じて働くのですが、長年癖づけられた行動や考えなどは潜在意識の記憶の方が優先的に働き、例えばこの領域を転換しようとすると、現状を維持すべく猛烈に抵抗します。この抵抗を除去するために潜在意識が働きかける顕在意識の状態を意図的に休眠的な状態にして直接潜在意識にアクセスできる状態を生み出すのが催眠という技術です。マインドフルネスでは瞑想によってそれを実現させます。眠っているような起きているようなリラックスした気落ちの状態でありながらも思考的にはニュートラルに集中しているといった精神状態を作り出します。一般にこれをトランス状態といいます。

人は起きたことをどう記憶するかにおいて必ず同時に二つの気持ちを持ちます。プラスの気持ちとマイナスの気持ちです。そして大きな気持の方を選択して記憶に留めます。この記憶は潜在意識で反応します。ですからいくら意識的に切り替えようとしても、潜在意識で妨害されます。潜在意識とは心に組み立てられたプログラムです。そのプログラムを変えるには、まず潜在意識が発動させるプロテクターを外さないといけません。そうしないと潜在意識は以前のプログラムと照合して新しいプログラムを跳ねつけてしまいます。プログラムはそれがポジティブだろうがネガティブだろうが先に組み込まれた内容が一貫性を保つように働くからです。ですからプロテクターが許容を判断するためのフィルターを通過できたプログラムのみが受け入れられるという手順となります。

このフィルターが作動する限り、潜在意識が抵抗する内容を純粋に意志の力だけで繰り返しても十中八九挫折かフラストレーションが待ち受けて成功しないことになります。このやり方でもうまく行くケースはよほど前の意識で自分が不利益になっている場合(例えば傷病状態になっているなど)に何とかそこから脱却しようと不屈の気持ちがある時や、かなり時間を掛けて何度も繰り返して徐々に納得していった結果として得られるといった場合です。健常人がそれを成し得るには相当の時間を要することは歴然としている。ここに認知行動アプローチの限界があります。

ではどうすれば良いのでしょうか。そのフィルター自体を外す上で、「トランス意識」が重用な役割を果たします。マインドフルにトランスに入り、自分と周囲の状況を見守ることが出来ると、自分自身のつながり方や、考え方、動き方、感じ方、そしてそれまで注意を向けていなかった選択肢に気づくことが出来るようになります。取り入れたい資源と繋がり、望む概念を創造することが可能になります。そうするとフィルターが作動しなくなります。

これを技術的に行うのが「催眠」です。では具体的な内容に入っていきましょう。

まず自己催眠を成功させるには、まず、自分自身がやる気になり、それに対して期待と信念を持つことが前提になります。その思いによって深度が決まります。

また幾つか欠点や限界もあるのでそれを心に留めて置いてください。例えば、目を開けたままのアプローチは、自己目標の改善といった元から前向きな内容にはずば抜けた効果があるのですが、退行や追体験に有効な技法ではありません。退行とは「過去に起きた出来事、あるいは一連の出来事を鮮明に思い出す」ことであり、自己催眠でこれを引き起こすのは困難です。

同様に、過去の出来事を蘇らせる追退験はどんなタイプであっても自己催眠ではなかなか起こし得ません。これは自己催眠による催眠の深さに限界があるからかもしれませんし、目を開けたままだと心の中に浮かぶイメージを観察するのが難しいからかもしれません。

ショートソモサン⑤:自己催眠の技術(2)

催眠はその状態の深さより、その状態になる人の意欲の方が重要になってきます。一つの目標達成において、満足の行く成果は上がるまでには、一日一回自己催眠を繰り返すことが望ましいといえます。目標によっては一回のセッションで素晴らしい成果が見られることもあれば何回もセッションを重ねなくてはならないということもあります。少なくとも七回自己催眠を繰り返してそれでも成果が全く見られない場合は目標をもっと小さなものに切り分けられるかどうか考えてみましょう。目標が大きすぎると、自分の潜在意識が暗示部にどう対処して良いか分からなくなり、混乱したりするかもしれないからです。

尚自己催眠を行うのにベストなタイミングは朝起きてすぐ、朝食前が一番効果的です。その次に良いのが夜寝る直前です。たっぷりと食事をした後とかカフェインの入った飲み物を飲んだ後は効果が薄くなります。

録音し、再生するというやり方も効果的なやり方と言えますが、催眠テープを聞くのは一般に普及している催眠や自己催眠の手法です。しかし自分自身の声を聞くのはとても効果的かもしれません。

ポイントは心中に「リラックスした集中状態」を生み出すことです。

①始める準備ができたら、20分くらいは邪魔されることのない静かな場所を見つけてください。照明は眩しくないソフトなものにしますが、文字が読めるくらいの明るさは必要です。

②座り心地の良い椅子かソファーに座って楽にします。バックに静かなインストルメンタル音楽が欲しければかけても構いませんが、ボリュームは低くしておいてください。力強い音楽ではなく穏やかなものにすることが大事です。心が落ち着く環境音でも良いでしょう。

 

今回はイメージ法をご紹介致しましょう。次回は体感法をご紹介させて頂きます。

第一段階です。

①自己催眠を行うときは、できるだけ背筋をまっすぐにして行うことをおすすめします。もし、瞑想や座禅の座法をご存じでしたら、それでも結構です。まずは呼吸に注意を向けます。

②目を閉じて心の中で黒板をイメージします。

③次に、その黒板にこれからお伝えする数字を書いている自分自身をイメージします。黒板に数字を書いている自分の手が見えるかもしれませんし、自分で黒板に数字を書いている姿が見えるかもしれません。

④黒板に10から1までの数字を順次書いていきます。方法としては、まず10の文字をイメージしてそれを黒板に書きます。そして次にそれを消し、今度は次の9という文字をイメージしてまたそれを消していくという風に順次まで続けていきます。黒板に書いた数字は描いたらすぐに消していきます。

⑤最後に数字の1を書いて消し終わると、そこには空白の黒板が見えます。

⑥空白の黒板を眺めながら、数字の10から1まで、声に出さずに数えていきます。1つ数えるごとに、徐々にリラックスして集中力が高まり、内側にと没入していく感覚を描きます。

⑦もし望むならば、心の中で「さあ、ぐーっと集中していく」「もっと深く入っていく」といった言葉を数字の後に添えてみても良いでしょう。例えば「8、さらにぐっと集中していく」といった具合です。

⑧一呼吸の間を取って9、もっと深く入っていくというように、心の中で言葉を添えていきます。そして、1、もっと深く入っていく、とまで続けていきます。

※これらを進めるに当たって、事前に誘導文を書いておき、それを声に出して読見ながら進めるというやり方もあります。

 

では第二段階です。

①自分の前に10段の階段をイメージして、その階段を降りていくところをイメージします。

②階段の1番上に立ち、1番上の10段目から1歩ずつ降りていきます。実際に、踵からつま先までが動いている感じを想像します。

③そして、体重を一方の足からもう一方の足に移しながら階段を1段ずつ降りていくのを想像します。

④どこまで降りていくのか覚えておくのに、小さな声で数を数える必要があるかもしれませんが、それはもちろん大丈夫です。しかし、あくまでも大切なのは階段を一歩一歩1番下の段まで降りていくときの感覚です。

⑤階段の1番下まで来たら、今度は自分の前に椅子があってそこに座るのをイメージします。

椅子に座ったら非常に心身がリラックスしている自分の状態を感じます。今自分は催眠状態になっています。

最初はここで覚醒して行きます。覚醒の手順を追って催眠から自分を目覚めさせます。自己催眠を終える準備が整ったら、今度は先ほどと逆のプロセスをたどっていきます。10段の階段を上がっていくのをイメージします。

初めは声に出さずに1から10まで数え、その後、今度は声に出して1から10まで数えます。この時、数字を黒板に書いて消す場面はもうイメージしなくて結構です。

①10まで数えると、私は催眠から覚めます。私は5まで数えた時点で完全に覚醒し、すっかり目が覚めます。

②1、催眠から目が覚め始めていきます。

③2、周りのことが分かってきます。

④3、満足と安心とゆとりを感じています。

⑤4、この催眠セッションの成果が楽しみです。

⑥5、ものすごくいい気持ちです。

⑦6、7、8、9、10、目が覚めてきます。

⑧2度目に今度は声を出して10まで数え終わります。

⑨さあ、すっかり目が覚めて、完全認意識がはっきりとしている。

⑩目を開けて部屋の気配に注意を戻します。気づいたことを書き留めておくと、後で振り返るときに役立つかもしれません。

屈伸して、背伸びして終了です。

慣れてきたら、徐々に今度は目的に合った暗示の技法を取り入れて行きます。例えば「やる気になる」ということを目指すならば、

暗示文として、

「今、私は電話をするという目標に対してやる気満々になる。

電話をするという目標を達成したら、もっと成功している気分になるだろう。

電話をするへのやる気が高まったら、私はもっと幸せになる。

私はもっと良い人生を送りたい。

私の目標は、そのために役立つ。

やる気満々の私は、夢中になって、電話をする。

私は目標に取り組む。

利益を全て自分のものにできるのが楽しみだ。

この目標を私にとって重要だ。

私は達成に必要な行動を取る。

電話をするという目標に100パーセント打ち込む。

失敗を恐れる気持ちは捨て去る。

物事に失敗などないのだから、あるのは結果だけ。

たった今やっているのと同じように、私は心に決めたことを達成できる。

目を開けたまま電話をするへの意欲を高める。

自己催眠をかけることによって、私はすでに自分の中に電話をすることに対するやる気が湧き上がっていることを証明している。

私の考えと気持ち全てが電話をするという目標に向かって100パーセント噛み合っている。

私には100パーセントの決意がある。

それはずっと温められていたもので、今私は電話をするというこの目標を達成したいと望んでいる」といった様な文言を唱えて行きます。

暗示は催眠状態でそれを書き出すという方法もあり、かなり有効になります。また書き出したものを読み出すという方法もあります。一旦口にして、耳を通して自分で自分に暗示するのも有効なアプローチです。

 

今回はここら辺で仕舞いにしておきましょう。次回も同じ様な形で具体的なアプローチをご紹介して行きたいと思います。

それでは皆さん、次回も何卒よろしくお願い申しあげます。

さて皆さんは「ソモサン」?