• リーダーは状況を操作しろ② ~組織開発(OD)の実践って、どうするの?-155~

リーダーは状況を操作しろ② ~組織開発(OD)の実践って、どうするの?-155~

リーダー・マッチ理論におけるリーダーシップ・スタイルは、すでに前回で紹介している通り関係動機型と課題動機型の2つのタイプに分類しています。もちろん実際にはその中間があり、いわゆるスペクトラムな訳ですが、まずは自分自身がどちら寄りなのかを理解することが大切です。そしてこのリーダー・マッチ理論におけるリーダーシップ・スタイルの特徴は、リーダーと一緒に仕事をしていく他者との相性を見ていくことで判定されます。ユニークなのは、リーダー自身がうまくやれなかった人とはどのような人かを評価することで、自分のリーダーシップ・スタイルを判定しようというものです。リーダーシップ・スタイルを判定する尺度はLPC(Least Preferred Co-Worker)尺度と呼ばれます。では、その判定の仕方を見ていくことにしましょう。

 

  • あなたがこれまで一緒に働いたことのある人達の中から、最も仕事がやりにくかった人を一人思い出します。これは、あなたが最も嫌いな人という意味ではありません。別の言い方をすれば、一緒に仕事をやり遂げるのに大変な思いをした人という意味です。その人が、あなたの最も苦手な共働者、つまりあなたのLPCです。
  • LPCは質問18の項目からなり、8段階の尺度設定です。
  • 質問の主語はすべて「あなたが苦手なその人は」です。

得点

・楽しい   8  7  6  5  4  3  2  1  楽しくない                    (  )

・有効的である  8  7  6  5  4  3  2  1  有効的でない   (  )

・拒絶的である  1 2 3 4 5 6 7 8  受容的である     (  )

・緊張度が高い  1 2 3 4 5 6 7 8  ゆとりがある     (  )

・遠い(疎遠)  1 2 3 4 5 6 7 8  近い(親近)     (  )

・冷たい  1 2 3 4 5 6 7 8  暖かい                      (  )

・支持的である  8  7  6  5  4  3  2  1  敵対的である       (  )

・退屈である  1 2 3 4 5 6 7 8  興味深い              (  )

・口論好きである  1 2 3 4 5 6 7 8  協調的である  (  )

・陰気である  1 2 3 4 5 6 7 8  朗らかである        (  )

・開放的である  8  7  6  5  4  3  2  1  警戒的である        (  )

・陰口をきく   1 2 3 4 5 6 7 8  忠実である            (  )

・信頼できない 1 2 3 4 5 6 7 8  信頼できる           (  )

・思いやりがある   8  7  6  5  4  3  2  1  思いやりがない   (  )

・卑劣である   1 2 3 4 5 6 7 8  立派である             (  )

・愛想が良い   8  7  6  5  4  3  2  1  気難しい                  (  )

・不誠実である 1 2 3 4 5 6 7 8  誠実である            (  )

・親切である  8  7  6  5  4  3  2  1  不親切である             (  )

 

合計       

全ての質問に答えたら、得点を合計します。合計点に意味は次の通りです。

  • 合計が73点以上なら、あなたは高LPC、つまり関係動機型です。
  • 合計が63点以下なら、あなたは低LPC、つまり課題動機型です。
  • 64点以上72点以下なら、中間ということになります。

如何でしょうか。うすうす感じていたスタイルでしたか。

 

低LPC(課題動機型)の人は、最も苦手な共働者を非常に否定的に、また拒絶的な見方をしています。低LPCのリーダーは「私にとって仕事で結果を出すことは極めて重要なことである。従って、あなたが共働者として思わしくなく、障害になるようであれば、私にとってあなたを受け入れるのは難しい」と言います。

高LPC(関係動機型)の人は、他者とのより良い関係に大きな関心を持っていて、最も苦手な共働者に対しても拒絶的な見方をしません。高LPCのリーダーは「確かにあなたと一緒に仕事をできない。だからといって、あなたが親しみにくいとか、誠実でないということにはならない。仕事以外では付き合ってもかまわない」と言います。

高LPCリーダーも低LPCリーダーも、そのスタイルにマッチした状況では、どちらも非常に効果的です。逆に言えば、どちらのスタイルもあらゆる状況で優秀であるわけにはいきません。そして、どちらのスタイルも、リーダーシップ状況次第ですが、部下に好かれます。

このような判定は、どのような種類のものであっても「その通り」と感じることもあれば、「ちょっと違うな」と感じることもあります。とはいえ、多くの人たちの調査によって導き出されたものであり、かなりの正確さであなたの特徴を描写しています。どうしても納得がいかないのであれば、周囲の人からあなたがどのように振る舞っているか教えてもらってください。次回は、高LPCと低LPCの特徴をより詳しく見ていきます。(続く)

 

この記事の書き手はJoyBizコンサルティング(株)波多江嘉之です。