プレゼンスを高めるためには?② ~座右の銘はあるか? 後編~

※この記事は4部構成です。それぞれの記事は下記よりご覧ください。

プレゼンスを高めるためには?① ~座右の銘はあるか? 前編~

プレゼンスを高めるためには?② ~座右の銘はあるか? 後編~

プレゼンスを高めるためには?③ ~信念の形成とメタ認識~ (1月21日配信予定)

プレゼンスを高めるには?④ ~壁を越えて成長するには~ (1月28日配信予定)

 一所懸命に没入するということ

竹本:

面白いなと思ったのが、面白い見た目を作って、自分自身にタグをつけるということは有効ですと書いてあったんですが、ただ何の実績もない人がそんなことやっても滑るだけ、とも書いてありました。ビジネスで自分ができるということをやり続けてしっかりと実績を作る、そしてその実績によるタグというのをまずもっている必要があるということでした。

それは先生がおっしゃるように、今自分に与えられた課題そのものに没入できるかどうかということが非常に大切ということでしょうね。うわべでいろんなことを語ったとしても、没入して続けないと実績のタグはつけれないということだと思います。

川野先生:

そうですね。そのことを実は私自身がまさに体験してきました。おかげさまでマインドフルネスに関連する様々なご依頼をいただくことが増えてまいりまして、「マインドフルネスの人」という認知をしていただいていると思いますが、自分自身ではマインドフルネスの専門家だと思ったことはないんですね。

私の核にあるのは禅の精神性を伝えたい、という気持ちです。もっとシンプルに言ってしまえば、その結果として世界中の人が仲良く、平和に生きることができればいいな、ということです。もちろんまだまだ自分が禅の道をしっかりと理解できているとはとても言えません。ただそれを私なりの理解で、一般の方たちにわかりやすく伝えることはできる。そのための方便としてマインドフルネスがあったということなのだと思います。

そしてマインドフルネスは、ブッダの瞑想に源流を持ちながらも、もう一つの私の専門領域である精神医学とのブリッジにもなっていました。それらを説明するときに大変重宝するツールととらえて始まったのですが、いつのまにかマインドフルネスの専門家みたいなご認識をいただいていました。

ただ私が皆さんにお伝えしているのは、マインドフルネスの専門家であるかどうかはさほど重要ではない、ということです。そうではなく目の前の困っている人たちにどういった言葉が助けになるかを考えてお話することであったり、頭をフル稼働しながら働いていて理入(理屈による理解)ばかりの人に対して、行入(体感的な理解、瞑想など)の提案をするということであったりが大切で、それこそが自分の使命なのではないかと考えています。

行入的な取り組みが心の助けになるということをエビデンスをもって提供できるという点で、自分としてもマインドフルネスという言葉を大いに利用させてもらっています。 

竹本:

マインドフルネスというタグが付いていたとしても、それを本来の使命のために活用すればよいということですよね。

川野先生:

まさにそう感じています。それはどの分野でもいえると思いますね。松岡修造さんを例にとると、現役引退後に、テニス解説者となり、いつのまにかリポーターとなり、今ではバラエティに欠かせない人になっていますよね。

あの方も与えられた仕事をできるいっぱいで取り組んでいった結果ではないかなと感じます。生き方がマインドフルネスだと思う。ちなみに私もあの方の在りようが大好きで、少なからず影響を受けています(笑)。

竹本:

目の前のことに没入して取り組むことと冒頭の座右の銘を持つことが大切というのは本質は一つな気がしますね。

座右の銘と自分の信念

川野先生:

そうですね。座右の銘の話に戻りますと、こういうのはやめたほうが良いかなと思います。例えば「ビジネスを極める」というような座右の銘です。もう少し生き方のスタンス的なことを自分の座右の銘にされたほうがよいのかなと。そうするといい意味でそこに向かうために手段を選ばなくなります。そしてその時々で採用しやすかった手段が、自分のタグになっていくはずなんですよね。

竹本:

そういえば、Newspicksで先日見たのですが、「MBA3.0」という特集をやっていたんですね。要は、何のために今MBAにいくのか?みたいなことを考察している特集だったのですが、ある記事の中に面白いことが書いてありました。

それは、結局MBAに行って何を学ぶのかが明確な人は全体の中でごくわずかで、資格取得のような感覚で来ている人が多いそうです。その知識をどう生かすかということが全くなく資格だけとろうというのは、少しアプローチとしてはずれているのではないか、と主張されていました。

川野先生:

MBAホルダーの方はだいぶ増えていますよね。ただプロフィールに使うためという方も多いのかもしれませんね。

竹本:

そのようですね。やはりそこでも自分自身の軸というか目的意識というか、そうした座右の銘に通ずるものが非常に大切なのだと思いました。

川野先生:

そうですね。こういうことをするために、例えばこんな資格取りましたとかね。そちらのほうが人生楽しいのではないかと思いますよ。

竹本:

もう一つなるほどと感じたのが、スタンフォードのMBAコースでは、ライフデザインの授業が人気あるそうです。要は何のためにMBAを学ぶのかということをMBAで学ぶということですね。

川野先生:

少し変な気もしますけども、学ぶ過程で自分の軸を見つめなおす機会に出会えたというのは宝物でしょうね。

竹本:

自分の人生をどう持っていくかという話や座右の銘の話もそうですが、今キーワードな気がします。そして信念をもってそれを愚直に実践していくことがプレゼンスにつながっていくのかなと。

川野先生:

そうですね。特に信念は大切ですね。信念がない人にはついていけませんものね。

 

※この記事は4部構成です。それぞれの記事は下記よりご覧ください。

プレゼンスを高めるためには?① ~座右の銘はあるか? 前編~

プレゼンスを高めるためには?② ~座右の銘はあるか? 後編~

プレゼンスを高めるためには?③ ~信念の形成とメタ認識~ (1月21日配信予定)

プレゼンスを高めるには?④ ~壁を越えて成長するには~ (1月28日配信予定)