組織開発コンサルタントって何するの?

「このままでは生き残れない」「我が社のビジネスはもっと可能性があるはずだ」こんなことを思いつつもそれがうまくできない現状の組織にジレンマを抱く声は後を絶えません。経営幹部の方々は日々答えのないと格闘している様子を痛感しています。ここでは組織を変革していきたい、という時に有効な組織開発とそれを実践するパートナーとして組織開発コンサルタントの活用を考えてみたいと思います。

そもそも組織開発(OD)ってなに?

組織開発コンサルタントの基本的な役割

そもそも組織開発コンサルタントの前にコンサルタントの仕事を考えてみましょう。それは簡潔に言うと「エンジニア」です。では「エンジニア」とは何か?自分自身の専門的な技術やスキルを駆使し、クライアントが抱えている課題にソリューションを提供し、問題解決を具体化する存在です。

つまり組織開発コンサルタントとは、クライアント組織の戦略づくりや組織運営を正しく、かつスピーディに進める為に、エンジニアリングすることが大きな役割となります。社内で様々なプロジェクトをリードした経験をお持ちだと思いますが、そうした場面で使われる経営や組織について科学的・実証的に研究・開発された理論やフレームワークが数多く存在しています。組織開発コンサルタントは、それらをフル活用して、クライアントの現状にフィットしたソリューションを構築し、その実行が「絵に描いた餅」に終わらないように支援することが期待されているのです。

コンサルタントと学者・研究者は似て非なるもの

よく混同されがちなのは、学者・研究者の皆様との違いですが、大きな違いは目的のベクトルが真逆だ、ということです。

学者・研究者の役割は一般化です。現場で起きた様々な事象を調査し、それを分析し、共通する法則性を理論化することが大きな役割です。それに対してコンサルタントの役割は個別化(=カスタイズ)です。学者・研究者が見出した法則性を軸にして、クライアントが抱える個別の事情や課題を解決していくことが仕事になります。

つまりコンサルタントの役割は、一つ一つ違う個別の現場に対して様々な理論やフレームワークが適用可能かを見極める判断力が重要になるということです(もちろん使用する理論やフレームワークを深く理解していることは大前提として要求されますが・・・・)。

理論やフレームワークが本当に最適なのかを検討し、時には、フレームワークを捨ててでも、実際の現場での問題解決や組織変革が有効に機能していくような関わりをし続ける必要があります。

余談ではありますが、残念ながら、理論の背景や実際のケースなどをあまり理解することもなく、単に借りてきたフレームを提供することが「コンサルタントの役割」と理解されているケースがあります。クライアント組織からも、まだまだそのようなお声を聞きますし、当のコンサルサイドもそのように自己認識しているパターンも見受けられます。

組織開発コンサルティングはその性質上、内部の人間だけではなく外部の人間も入った方が効果的に上記の役割を果たせるのですが、その投資は決して安いものではありません。もし外部パートナーがフレームワークの提供だけで完結してしまうコンサルタントだとすると、最悪の場合、実践者である組織メンバーがそれをうまく使いこなせないだけでなく、問題が当初よりも悪化するというケースも実は存在していますので、外部パートナーの活用時には注意が必要です。

コンサルタントに必要な「間の取り方」

以上のことからコンサルタントの仕事は、クライアント組織の知識的・経験的レベル感を支援の中で把握しながら、理論やフレームを使いこなせるように上手くリーディング・コーチングしていくことになります。しかしあまり介入しすぎると、当然その中身はクライアントのモノではなくてコンサルタントのものになってしまいます。それでは組織の問題が具体的に解決されたことにはならないため(多くの場合出来上がった計画に対してクライアントは実践にコミットしなくなる、むしろやらされ感が強くなり不満が噴出し始めることもある)実践的なコンサルタントには「間合いの取り方」も求められます。

有能なコンサルタントかどうかは、この間合いの取り方の上手い下手で決まるというくらい重要な要素です。クライアントに主体感を持たせながらも議論の道筋がずれたり、検討内容の質が落ちないように中身を上手くリードしながら組織の動きを組み立てていきます。

特に組織開発コンサルティングは、理論よりも感情のマネジメントがテーマとなる場合が多いものです。そのため実践的な展開には人の感情をマネジメントする力が必須になります。このあたりが組織開発の理解を難しくさせているところでもありながら、反面本質を突き、面白みを感じるところでもあります。

組織開発コンサルタントの流儀

このようにコンサルタントは組織や現場の中に、ある程度入り込んで一定の「当事者的立場」をとりながら問題解決を進めます。しかし決して表舞台に立ってはならないという鉄則もあります。

それは組織開発を進めるのは、コンサルタントではなく当事者自身だからです。あくまでも黒子に徹する軍師の役割なのです。しかしコンサルタントも人間です。多少の実績をアピールしたり、影響力を発揮したい気持ちがないわけはありません。しかし問題解決の主体はクライアント側にあるのです。その成果もクライアントのモノだという大前提忘れたコンサルタントがいたら注意が必要です。クライアントに自分たち視点の考えを押し付けるのは論外ですが、作為的に誘導していくのも本質から外れたアプローチです。

ちなみに弊社JoyBizの流儀は、軍師として「毒を盛る」ことです。

裏の舞台から当事者たちが問題意識を感じるように、またそれを元にアクションを起こせるように、「毒を盛る」のです。毒は劇薬です。皆様の組織を信じ、あえて毒を盛り劇薬を良薬に変えていく。そうして黒子の立場から実践に働きかけをします。

表舞台には立たなくとも、痕跡はしっかり残す、それが組織開発コンサルティングの流儀だと私たちは考えます。

もし組織開発をご検討でしたら、組織開発コンサルタントの役割をしっかりと理解し、本音でどう協働すべきかを相談をされることをお勧めします。もちろん弊社にお声がけいただければ大変幸いです(試しにJoyBizはこちら

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