なるほど!人を動かすのは論理と○○だったのか!

人を動かすためには??

前回のブログにて「問題を分けないとうまくいかない ~問題の定義~」をお送り致しました。今回の配信では、人を動かす為の「論理」以外のもう一つの要素をお届け致します。人が動かなければ、どんなに良い解決策があっても問題は解決できません。是非今後のご参考にしてみてください。

論理と合わせて○○も大事

○○は、そうです。「心理」です。人、ひいてはチーム・組織を動かす為に必要なもう一つの項目は「心理」です。しかしこの「心理」… 一言で書いてしまっていますが、詳しく見て行くとこんな要素があります。

  • 当事者としてのコミットメント
  • 感情的な納得度
  • 物の見方、考え方(メンタルモデル)
  • 士気、モチベーション

「そんな事知ってるよ!」とおっしゃるかもしれません。しかし実際に現場において「心理」がケアされているかどうか…という点を考えてみたいと思います。

それでは例によって、もう少しイメージしやすい様に具体例を交えていきます。例えば若手の上司Aさんと5人のチームメンバーがいたとしましょう。しかしその中の1名(Bさん)は、以前Aの元上司であり、組織の若返りと共に上司Aの補佐役という名目でチームメンバーの一員になったとして、そんな前提で上司Aが言ったとします。

「来期の売り上げを見越すとこのままでは予算達成できません。今までの成約率から計算すると、Bさんには今の1.5倍面談件数を増やして頂く必要があります。来週から私の方で管理をしていきます。」ここでは問題が明確で、指示も具体的で、間違ってはいません、がしかし、10歳以上も年下しかも元部下から毅然と言われてしまえば、「お前の言う事は分かるが・・・、指図なんかされてたまるか!」と思われるのではないでしょうか?

リーダーとしては「問題の解決に向けて物事を進めたいのに!」の一心かもしれません。しかし心理的な問題は、ややもすると「抵抗」として現れてきます。上記は、心理の「個人的な納得感と」について触れさせていただきましたが、実際、職場において何か新しい事に取り組もうとした時には、上のような「納得感」以外にも、もしかしたら政治的に他部署もしくは他のリーダーが圧力をかけてくるかもしれません。他にも、会社によっては「リスクは負わない」という考え方があり、「新しい」モノはなかなか認めない風土によるものかもしれません。

心理的抵抗が問題解決を阻害する

そして!問題を解決する為に「こうしよう!」となった場面について考えてみると、恐らく皆さんが最初に出会う抵抗はこんな内容ではないでしょうか?

「それ、本当に問題なんですか?」

そうなんです。組織にも人それぞれにも「問題認識」が異なることが往々にしてあります。この「問題認識」をすり合わせないとどうなるか?

  1. 上司A「よし、問題は活動量だ!明日から営業活動量を増やすぞ!」
  2. 部下B、C、D「はい!」(しかし心の声は…『本当に活動量かな?どちらかというと質が問題なんじゃ…?』)

この様な状態であれば当然部下B、C、Dは上司の提示する「解決策」に乗れるはずもなく、当然コミットメントもしません。そして当然、、、業績も伸びませんよね。こんな場面で大切なのは、「異なる意見を言ってもいい」という風土です。

しかし、組織で仕事をしている私たちは様々なネガティブファンタジー(否定的幻想)を抱いてしまいがちです。そしてつい「そうですね」と同調行動をとってしまいます。このような行動は、問題解決にとって決してプラスにはなりません。弊社でお手伝いさせて頂く事例の中では、この「問題認識」を摺り合わせるだけで1日かかるケースもざらです。しかし当然、この出発点を外すとその先には進めません。心理といえども色々ありますが、問題の定義にもそれは影響しているんですね。もしかしたら部下は思っているかもしれません『それ、本当に問題なんですか?』と。